平成16年 第4回練成大会 訓話
何事においても、土台となるべき事項は比較的単純な言い回しで現されます。しかし、単純な事ほど継続し、反復する事が難しいと言うことは周知の通りです。ただ、各人の認識や周りの雰囲気によって自覚が芽生えれば何ら実行不可能な事ではありません。
例えば「約束を守る」、「出来るだけ甘えない」、「返事や挨拶をしっかり行う」など当たり前のことが行われていないために信頼関係がなくなったり、自信がもてなくなったり、将来に対しての夢や希望と言う大切なことまで曇ってしまい「生き甲斐」や「やりがい」などが感じられなくなっているのが現在ではないでしょうか?我々はもう一度この単純明快な「基礎、基本」と言うことに眼を向けてみたいと考えています。指導者と呼ばれる諸氏にとっては指導する上で一番大切なことではないでしょうか。これで認識できていないのであれば深く再考すべきであり、自身を一層磨く必要があると言わざるをえません。あたり前の事ですが何も武道だけのことではありません。人間として社会人として自覚すべきことです。
我々仲間はこれをベースとして「胸を張り、毅然とした態度で、凛とした姿勢で」常に前を向いて進んで生きたいと思います。
主幹師範 大濱 正
躰道塾精気会25周年記念練成大会・合同演武会
平成16年5月16日(日) 場所 大阪ガス・ドームシティースポーツセンター・体育館
午前10時から午後2時半まで
大会の様子をスライドショーにしました。こちら(別ウィンドウが開きます)
前日5月15日(土)の午後3時より、指導員のメンバー、一般会員の十数名の協力により、設営を行う。
看板の掲揚、コートのセッティング(テープを張る)、観客席、本部席、役員席、来賓席、大会ドクター席、受け付けなどブルーシートを敷き詰め、その上にテーブル、パイプ椅子(100脚)を並べる。マイクロホンのセッティング等も行う。試し割で使う瓦、杉板なども前日に搬入した。
ドームシティースポーツセンターの支配人遠藤さんをはじめ、以前もお世話になった崎さんほか従業員の皆さんも、ご親切に設営にご協力を頂いた。本当に、感謝感激であった。
当日5月16日(日)、朝からあいにく梅雨のような雨模様で、人数が集まるかどうか心配されたが、ふたを明けてみると、選手140名、応援を含めると300名が一同に会して、盛大な練成大会となった。
役員ならびに選手が9時ごろより、続々会場入り。役員は、来賓者の出迎えや、それぞれが与えられた仕事を、開会前にもくもくとこなし、開会の10時の10分前には、選手をすべて整列させた。
10時から、斧出理事長の開会宣言のあと、前田幸治会長からご祝辞を賜った。
10時10分より、斧出理事長の指導により、約1時間準備体操から、合同の基本練習を坦々と行う。
140名の熱気の中、子供から年配者まで一人として、ばてることなく、基本の立ち方、突き、蹴り、受け、基本受けの3動作、起動法などをこなした。
その後、全員で基本の型である十字突き、平安2段を行う。そのあと、平安3段、平安5段を出きるものだけが残って演武、できない者は後方に下がり、先輩の演武を熱心に観戦した。それが終わったら、有段者全員による十手、十六の2つの型を大濱主幹師範の指導で行う。ここで、全員による合同練習を終了。
引き続いて、各道場による基本や型の演武に入る。各道場とも、趣向を凝らした稽古や、基本の型などを披露した。いずれも、すばらしい演武で、普段から皆、熱心に練習している様子がうかがわれると同時に、それぞれの指導者の熱意と個性を感じさせる演武であった。
時間が少しあったので、大浜主幹師範の指導で、黒帯の代表者によるサンドバックを用いての、練習を披露した。各道場の練習生は、熱心に見学していた。自分の道場に帰って、同じ稽古を試してくれるであろう。
11時45分から、昼食休憩に入る。隣のクラブハウスに移動して、全員が持参した昼食をいただく。運動した後の充実感一杯で、また大勢の仲間と食べる食事は格別であっ た。
12時30分から、25周年の式典と演武会に入る。斧出理事長の挨拶の後、顧問の山本和紀様より、暖かいご祝辞を頂戴した。最初の基本練習には、山本和紀顧問も一緒に参加していただいた。
次に、理事長の指導で、小学生から高校生まで代表者による板割を行った。いずれも、きびきびした態度と、気合一閃、見事な試し割を披露してくれた。
引き続き、指導員、師範クラスによる試し割に入る。高槻道場勝指導員による正拳突きによるかわら10枚割り(動画で見る)。続いて、泉佐野道場志水指導員による拳槌によるかわら10枚割(動画で見る)、高槻道場久保指導員による正拳突きによるかわら10枚割り(動画で見る)、最後に高槻道場、堺道場、泉佐野道場をいつも熱心に御指導いただいている清酒師範による正拳突きによるかわら15枚割り(動画で見る)を披露された。
志水指導員、久保指導員は見事一撃で10枚を割られたが、勝指導員、清酒師範は残念ながら一撃で割ることはできなかったが、もう一撃を加え、すべて割り終えられた。
清酒師範は、5年前の20周年大会では、瓦13枚を見事一撃で割られている。次回に、また目標を設定されることだと思う。
試し割りを終えて、次に師範クラスによる型の演武に入る。高槻道場勝指導員によるバッサイ大(動画で見る)、鳥取道場藤田滋師範によるセイエンチン(動画で見る)、本部道場小寺修好師範によるセーパイ(動画で見る)、本部道場大浜正宏師範代による松村派バッサイ(動画で見る)、スーパーリンペイ(動画で見る)が披露された。
大浜正宏師範代は、数日前より国体の強化練習に参加されていた。いずれの先生方も、気合の入ったすばらしい型を披露されたと思う。
その後、小学生から、成人有段の部まで、8組の組みてのエキシビションマッチを行う。大浜主幹師範が主審、副審を藤田師範、小寺師範、大浜正宏師範代、斧出理事長の4人で行う。いずれの組み手も迫力のある試合をしてくれた。
最後に、大浜主幹師範による十字突きの分解組み手をご披露いただいた。4人の黒帯の先輩方を四方に立たせて、十字突きを演武しながら、それぞれの先輩の攻撃に対して、十字突きの技である中段外受け即突き、下段払い即突きを応用し、転身、倒砕そして決め突きを行う技を4種類披露された。これこそが、大浜主幹師範のご指導なさっている五形流躰道塾精気会の奥義「移行法」そのものであった。
すべての演武を終え、全員の整列の後、閉会式を行った。参与の清水正継様より、講評とご挨拶をいただき、藤田滋師範による閉会宣言のあと、大浜主幹師範の指導により、全員で突き、蹴りの練習をして、予定どおり午後2時半に大会を終了した。
大会終了後、大人の会員、ご父兄らの協力を得て、約30分で後片付けを終え、帰路についた。
大会ドクターは、佐野記念病院の久保先生が、またトレーナーの木村公一さんがボランティァで参加いただき、大した怪我も無く無事終了したことは、大きな成果であった。
この大会を開催するにあたっては、豊中道場岡本善雄師範の影の力なくしては、できなかったであろう。各先生方との連絡、打ち合わせ、記念品の手配など、勿論各道場の指導員クラスがそれぞれ役割分担をして、お手伝いしてくれているのだが、それをまとめて成功裏にみちびいてくれたのは、岡本師範の力があってこそと感謝している。
また、お手伝いいただいた関係各位、ご父兄の方々にも感謝の気持ちで一杯である。
本当にありがとうございました。
そして、また5年後に向けて、みんなで新たな気持ちで、一丸となって頑張りましょう。 |